MMZW-03b|Lag-norm under perturbations

── 壊れ方の相構造と条件付き命題

Phase-1 results were generated by MMZW_03b_Phase_1.ipynb (GitHub).
All numerical metrics and regime labels in this section refer to this notebook.


0. 位置づけ(03aとの分業)

MMZW-03a では、lag-norm を 一度だけ・限定的に・壊れうる形で定義し、その装置のもとで

生き残れる場所は一本の線しかなかった

ことを示した。

本稿(03b)の目的は証明ではない。
同じ装置を揺らしたとき、壊れ方に「型」があるかを調べることである。


1. 実験設計(固定したもの/揺らしたもの)

固定

\[D_\Delta(t) = \frac{\arg\zeta(1/2+i(t+\Delta))-\arg\zeta(1/2+it)}{\Delta}\]

揺らすパラメータ(最小格子)

合計 12ケース
これは網羅ではなく、構造を見るための最小格子である。


2. 壊れ方の分類(Failure Modes)

観測された挙動は、以下の型に自然に分類された。

重要なのは、この分類が事後的でなく、パラメータに対応している点である。


3. 構造地図(Phase Map)

数値実験の結果を、Band × Δ の構造地図としてまとめる。

Band \ Δ 0.1 0.05 0.01 0.005
[10,60] F1 F? F0 F0
[200,260] F1 F1 F2 F0
[200,300] F1 F1 F2 F2

4. 観測された規則性(条件付き命題)

この地図から、以下の 条件付き命題が読み取れる。

命題 P1(粗視化)

If Δ が大きい
Then Band によらず F1(密集破壊)が現れる。

粗い差分は、壊れを平均化できず、全面スパイク化する。


命題 P2(精細化・低帯域)

If Band が低く、Δ を十分小さくする
Then 挙動は F0(静穏)へ収束する。

低帯域では、ZURE は分散し、吸収される。


命題 P3(精細化・高帯域)

If Band が高く、Δ を小さくする
Then F1 は消え、F2(希少・極端)へ転移する。

これは単なるノイズ低減ではなく、壊れ方の相転移である。


5. 解釈:lag-norm は何を測っているか

この結果が示しているのは、

lag-norm は 壊れを消す装置ではない。
壊れの生存様式を分離する装置である。

F2 は、Δ を下げても消えない。
ただし 数は減り、威力だけが残る

これは 03a で述べた punctured neutrality の数値的実体である。

「壊れが“どこでも出る”のではなく、条件を満たしたときにだけ、特定の形で生き残ることが分かった。」


6. 再現性とデータ公開

本稿の Phase 1 数値実験は、以下の 再現可能な装置として公開している。

GitHub は 結果の固定保存、Colab は 再現・検証・破壊実験のための実行環境である。

MMZW_03b_Phase_1


7. RH との関係(立場の明確化)

本稿は RH を証明しない。
RH はここでは 耐久テストである。

線外零点が存在するなら、lag-norm の構造地図は別の相を示すはずである。

この意味で、03b は結論ではなく、反証可能な装置仕様書である。


8. 次段階(03c へ)

次稿では、

これにより、本構造地図は 再現可能な数値シミュレーション集(MMZW-03c) へ拡張される。


一文まとめ(03b)

lag-norm の下で壊れは消えない。
ただし、生き残れる壊れ方には型がある。


素数は証明される対象ではない。生き残り方を観測される対象である。

素数は理論で「定義」できても、その振る舞いは実験でしか「確認」できない。

本稿で行ったのは、証明ではない。
素数という欠陥が、どの条件下で生き残るかを観測する実験である。


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