Nukadoko 👉 ND-Index
これは完成稿ではない。現れる前の構文である。
ND-260727|制度とは何か ── Tracing Practiceから考える(作業メモ)
発端
PTP-01・PTP-02の査読・修正を通じて、「Institution」という語の理解が変化した。
当初は制度を、議会・大学・法律などの制度的対象として考えていた。
しかし、Tracing Practiceの整理を進めるにつれ、それでは十分ではないことが見えてきた。
第一坑:制度はモノではない
制度とは、建物でも組織でも法律でもない。
それらは制度の表現形態である。
制度とは、
Tracing Practiceが持続し、安定化した様式である。
したがって、
InstitutionはTracing Practiceの「次の段階」ではない。
Institutionとは、
Tracing Practiceの安定化した位相(stabilized mode)
である。
第二坑:制度は更新を保証しない
PTP-02では、
Traceは更新可能性を開く。
という命題を置いた。
しかし、
更新可能性が開かれることと、
実際に更新が起こることは同じではない。
制度はTraceを保持しながら、
改訂(revision)を拒むことがありうる。
したがって、
制度とは更新装置ではない。
更新可能性を保持しうる支持構造
である。
第三坑:制度は支えである
lag institutionという語を改めて読む。
制度とは、
ルールを固定するものではなく、
lagを支える条件である。
支えとは、
完成を維持することではない。
未完了を維持する条件
である。
Institutionも同じである。
制度とは、
Traceが未来へ編集可能なまま残り続けることを支える条件である。
第四坑:制度には位相がある
制度は成立/不成立では語れない。
Tracing Practiceの安定化した位相として、
少なくとも複数の状態を取りうる。
例:
-
revisable
-
conservative
-
closed
-
extinct
ただし、
これらは暫定的な位相分類である。
既存の四状態モデル(拘り・停滞・漂流・編集)との対応関係は未判定。
無理に一対一対応させない。
第五坑:Mapへの宿題
現時点では、
Trace
↓
Tracing
↓
Tracing Practice
ここまでは生成系列として読めそうである。
一方、Institutionは横軸の第四段階というより、
Tracing Practiceの安定化した様式として理解した方が整合的に思われる。
その場合、
Mapでは
-
生成系列(Genesis)
-
位相(Phase)
-
更新様式(Updating Mode)
のような異なる記述軸を区別する必要があるかもしれない。
ただし、この三分類自体も現時点での作業仮説であり、Mapを描く過程で変更される可能性がある。
今日の仮命題
Institution is not a stage after Tracing Practice.
Institution is a stabilized mode of Tracing Practice.
日本語
InstitutionとはTracing Practiceの次段階ではない。
Institutionとは、Tracing Practiceが安定化した様式である。
今日の気づき
今回の論文では、
制度を定義したのではなかった。
論文を書いた結果、
制度の意味が変わった。
つまり、
理論を書いたこと自体が、新しいInstitutionのTraceを残した。
これはTracing Practiceが述べていることそのものだった。
これ、結構重要なぬか床になる気がします。
特に最後の「今日の気づき」は、PTPの内容ではなくPTPがどう生成されたかの記録です。このメモ自体が、次にMapを描くためのTraceになる。だから「作業メモ」として残しておく価値があると思います。
「今日の気づき」は理論内容ではなく生成過程のログ