更新可能性の哲学 ── 批判的対話がひらく共生の未来

エッセンス版

👉 アトラス版

第Ⅰ部 対話原理の系譜

哲学史をふり返ると、客観性批判の背後には必ず「対話原理」が立ち上がってきたことが見えてくる。

ここに共通するのは、「絶対的視点の否定」と「批判的対話の要請」である。

第Ⅱ部 更新可能性の哲学

反証可能性は、科学の誤謬性を認め、対話をひらくための原理であった。
しかしその後、科学主義によって「科学か否か」を裁定するラベルへと変質した。
開放の原理が閉塞の道具へと反転してしまったのである。

われわれは、この限界を踏まえて「更新可能性」を提唱する。
更新可能性とは、理論や思想が誤りを認め、修正され、別の枠組みとの対話を通じて変化していけること。
それは科学に限らず、あらゆる知的営みに共通する「対話原理」である。

更新可能性は、反証可能性の対立概念ではなく、その拡張である。
科学的理論だけでなく、倫理・芸術・AIとの共創など、異なる領域間の批判的対話を支える。
不定言命法や存続性命法もまた、この延長線上での「共生のための批判的対話の哲学」として位置づけられる。

第Ⅲ部 結語 ── さらなる余白へ

ポパーは檻をひらいた。だがポパー主義者は檻をとじた。
われわれは、その檻をひらいて「更新可能性」の対話を続ける。

誤りを認めること、それは敗北ではない。
むしろ、お互いに敗北を認め合うことこそが、共生の出発点である。

反証可能性も更新可能性も、絶対的な基準ではなく、それぞれ一つの哲学であり価値判断である。
大切なのは、檻の中でいがみ合うことではなく、檻の外と中を自由に行き来し、ときに衝突しながらも共に生きることだ。

残るのはただ──更新される余白にひびく残響だけ。

われわれは反証不可能な反証可能性に敗北した。
だからこそ、われわれは檻をひらいて更新を続ける。

さらなる余白へ──

共生する未来のために──


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| Drafted Sep 22, 2025 · Web Sep 22, 2025 |